薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

薬学科

大西 正俊(おおにし まさとし)

職 名 准教授
学 位 博士(薬学)
専門分野 神経薬理学
担当科目 消化器疾患、循環器疾患と薬物治療、生理活性分子とシグナル分子、生体機能調節、薬学英語Ⅰなど
メッセージ 脳出血を始め、虚血性の脳梗塞やクモ膜下出血などを合わせて定義される脳血管疾患による我が国の死亡者数は、近年肺炎に抜かれ第4位となりましたが、寝たきりなどの要介護者となる原因としては、未だ第1位を占めます。そのため、後遺症やリハビリテーション効率を改善する薬物の開発が待たれています。

脳内の免疫担当細胞ミクログリアとMAPKs

脳内にはミクログリアという免疫担当細胞が存在し、生体防御の役割を担っています。これまでの研究により、脳出血によって生成される血液凝固因子のトロンビンがミクログリアを活性化し、炎症を拡大することが分かっています。この活性化ミクログリアにおいて、主要な3種のMAPKsファミリーがいずれもリン酸化され、そのうち、p38 MAPK経路下流におけるHO-1誘導が細胞の生存に関与することを明らかにしました。これらの知見を踏まえ、ミクログリアをニューロン障害性(M1)および保護性(M2)に区別し、制御する方法について模索しています。

ヘムオキシゲナーゼ-1(緑)を発現するミクログリア(赤)

ミクログリア-アストロサイトインタラクション

中枢では神経だけでなく、多くのグリア細胞が役割を担っています。例えば、トロンビンによってネクローシスを起こした神経細胞などからHMGB1が放出され、これが、ミクログリアからのインターロイキン-1βの遊離を介してアストロサイトにおけるアクアポリン4(脳浮腫の形成に関与)の発現誘導に寄与することを明らかにしました。このようなグリア間インタラクションを視野に入れ、細胞の分化・増殖などに関与するとされるwnt4の生合成機構とシナプス可塑性発現への関連性について、解明を進めています。

脳出血を起こした脳切片のニッスル染色画像