【☆学長短信☆】No.122「あなたの周りにこんな学生いませんか?」

 通学路の傍らに、遅めの彼岸花が咲いて、ようやく秋が来ました。

 さて、障害のある学生が入学してきた場合には、合理的配慮をすることが大学には義務づけられています。身体の障害の場合には、本人からの申告もあるでしょうし、なすべき配慮も比較的わかりやすいでしょう。しかし、認知や行動面で他の学生とは多少異なった特徴がある学生の場合、入学までに診断されていない、もしくは自覚されていないことも多いと思われます。課題提出の期限忘れ、提出すべき物の紛失、課題や試験勉強を計画的に出来ない、常習的遅刻、財布や携帯電話などの貴重品の紛失、周囲から「だらしない」「義務を果たさない」と評価される、などの頻発がある場合、それらを学生本人の不注意、怠け、悪い癖等と見なして注意し、注意しても注意しても改善されず、「こんなに心配して注意しているのに!」と、学生に対して負の感情を持つ、ということもあるかもしれません。そのような学生の場合、軽度の発達障害(この例では注意欠如・多動症)の可能性があり、もしそうであれば、がみがみ叱ることは、あまり効果がないだけでなく二次障害をもたらしかねません。
 高校までは行動の自由度が小さく、大人の目が多く、その分、行動が破綻しにくかったのが、大学では一気に自由度が上がり、いろいろなことを自分で決めて、自分でそれに従って実行する必要性が高くなり、問題が生じやすくなります。特に親元を離れた場合は、「時間管理」や「整理整頓」といった自分で自分の行動を律する基本的スキルが必須となります。多くの学生は試行錯誤を経て、これらを身につけ洗練させます。知的な勉学に加えて、このようなスキルを身につけることも、社会人となる重要な準備です。発達障害傾向があると、このようなスキルを経験を通して自然に身につけることが難しい場合がありますが、その場合、私たちが行う配慮(学生の発達的特徴に合わせた対応)だけでなく、意図的に訓練を行うことも有効です(たとえば、手帳を使っての時間管理の仕方の訓練、計画の立案・実行とそのチェックの仕方の訓練など)。1年生に必修の教養ゼミにも、そのような意図が含まれていますが、もっと個人的で系統的な対応が必要と感じられる学生の場合は、学生相談室のカウンセラーに協力してもらうのも良いと思います。前回の学長短信No.121に出てきた認知行動療法が効果的と思われますので。

参考文献
武田俊信他「講義内での大学生へのオーガナイゼーション・スキル向上プログラムの効果研究」『発達心理学研究』、2019,第30巻、第1号、1-10.

中島美鈴他「成人注意欠如・多動症の時間管理に焦点を当てた集団認知行動療法の効果の予備的検討」『発達心理学研究』、2019,第30巻、第1号、23-33.

姫野桂著『発達障害グレーゾーン』扶桑社新書 2019。

学生と教員のすばらしい活躍です。
(1)薬学部の白川 真講師が第16回日本中性子捕捉療法学会でベストプレゼンテーション賞を受賞しました。同研究室4年生の石原和樹くんが別の共同研究の代表者としてベストポスター賞を受賞しました。この研究の第2研究者も、同研究室4年生の海渡遥菜さんです。みなさん、おめでとうございます。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.com/blog/17481/

(2)第70回中国学生卓球選手権秋季大会において、薬学部1年の池田未来さんが女子個人戦シングルスの部で優勝。第86回全日本大学選手権(個人の部)に出場します。おめでとうございます。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.com/blog/17950/

(3)人間文化学部心理学科の発達心理学研究室所属の3年生8名が、宮地茂記念館2階の「子育てステーション」において、月1回、乳幼児とその保護者を対象とした「子ども遊び広場」を開設しています(指導教員は、赤澤淳子教授)。今年度も(公財)ひろしまこども夢財団の助成事業に申請し、10万円の助成を受けることが決まりました(代表者 心理学科3年 藤木陽子さん)。この助成金獲得は、今年度で5年連続です。おめでとうございます。

(4)本年度から本学で実施の学修成果の可視化(レーダーチャート方式)は、日本私立大学協会の機関誌である教育学術新聞(平成31年3月27日号)の「グッド・デザイン・カリキュラム」3件の内の1件に選ばれて記事になりましたが、9月25日には、同協会主催の大学教務部課長担当者研修会で、大塚副学長がこれを含む福山大学教育システムについて講演しました。

お知らせです。
(5)来年度より適用される、文部科学省による高等教育の修学支援新制度については、本学も要件を整えて申請していましたが、対象機関と認められましたので、お知らせします。
詳細は文部科学省のHPで。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1421393.htm